この記事にたどりついたあなたは、体育会系の部活動を経験している就活生の方だと思います。
「就職活動で、体育会の学生は有利だ。」という話を巷でよく耳にしますよね。
これは果たして本当なのでしょうか? それともただの都市伝説でしょうか?
実際わたしは、本格的に就活を始める前まで、体育会ボート部で選手としてガッツリ活動をしていました。
それゆえ、就活では体育会部活動での経験をアピールする機会がとても多かったです。
今回は、体育会経験者のわたしが就活をして感じたことを踏まえつつ、「体育会の学生は、就活で有利になるのか?」という疑問に終止符を打ちたいと思います。
目次
「体育会」であることだけをもって有利にはならないという現実。
早速結論から言います。
「体育会学生だからといって、必ずしも就活で有利になるとは限らない。」
体育会の部活で、一生懸命練習に励んで大会で結果を残したという経験があるからといって、そのことだけをもって、就活が上手くいくという保証は一切ありません。
と思う人はきっと多いと思います。わたしも部活を頑張っていた時はよくこんなことを思っていました。
しかし現実はそんなに甘くありません。
どうして「体育会学生が就活で有利だ」と一概には言えないのか?ということについて、以下で詳しく書いていきますね。
一昔前までは、体育会系の人材は優遇されていた。
確かに、一昔前までの就活では、「体育会の学生」が今よりも優遇されていました。
なぜかというと、一昔前(=第3次産業が活発になる前ぐらい)の時代において求められるべき能力が、「体育会学生の多くが持っている特性」と合致していたからです。
第3次産業が盛んになる前までは、高度経済成長期でした。
これから戦争の復興&国としてもっと繁栄していこうという時期で、とにかくいろんなモノが足りなかった時代。
そのため「とにかくモノを迅速にかつ大量に生産しなければ!」という考えが主流でした。
「同じものを、迅速に大量に生産する」ためには、あらかじめ決まっていることを、いかに早く、いかに多く、いかに正確にこなせるかどうかが重要となってきます。
このような場面において、”体育会系の人の多くが持っている特性”が大いに生かされます。
- とにかく礼儀正しい、何を言われても返事は「ハイ」
- 一度決めたことを貫くために、とにかく地道に愚直に努力を積み重ねる。
- 組織内のしきたりや伝統を大切にする。
- 縦社会の中にいるため、上下関係を重んじる。先輩の言うことは”絶対”。
このように当時は、既存のやり方に反論したり他の新しい方法を提案したりする人よりも、文句を言うことなく、既存のしくみやしきたりを疑うこともなく、地道に愚直に同じ作業を続けるマインドを持った人(=体育会系の人)こそが、社会や企業の発展のために好都合な人材だったのです。
そのため、就活で「体育会です」と言った時の企業ウケは最強でした。
「体育会が有利」と絶対的に言える時代は、もう終わった。
「体育会です」と言うだけで、就活で優遇される時代が終了した1番の理由は、一昔前までと、今/これからの時代とでは、企業において求められる能力や特性が変化したからです。
今後わたしたちが生きていく時代はどんな時代?
これからわたしたちが生きていく社会のしくみや在り方についてざっくり説明します。
- グローバル化が進んでおり、人、モノ、金、情報といった資源がどんどん海外へ流れていく時代。
→海外で働くことや、海外の人と働くことは当たり前になる。
- 様々な物事に対する捉え方や価値観が、多様化している時代。
例えば、「働き方」について、以前までは「生涯一社、転職するのは稀」だった
→ 副業(複業)を認める会社が増えたり、転職をすることは当たり前などといった、生き方や働き方に対する多様な価値観が浸透しつつある。
- 技術革新(IT×○○、人工知能etc)がますます加速していく時代。
→ 変化の激しい時代。少し前までは想像すらできなかったことが、すぐに当たり前になる時代。
これからの時代において「求められる人」とは?
では、上記のようなご時世においては、一体どのような能力や特性ある人が求められるのでしょうか?
もちろん色んな事情によって変わってくるため、一概にこうであると断言することは難しいのですが、ずばり端的に述べると、
- 常識にとらわれることなく、新しい物事や考え方を柔軟に取り入れることができる人
- 「こうであるべき」といった画一的な考え方が存在しない世の中で、「自分にとって何が大切なのか?」ということを常に考えながら行動し続けられる人
これらは、どの場面においても今後大切になってくる素質であると言えます。
初めから正解が決まっている物事を、いかに正確にこなせるか ということが求められる時代は終わりました。
「体育会です」アピールの効果が薄れた背景まとめ。
とにかく礼儀正しい、何を言われても返事は「ハイ」
→ 礼儀正しいことや最低限のマナーはもちろん大切。
でも、「ハイ」だけ言えればいいというわけではない。
物事に対する自分の考えや意思をしっかり持ち、相手が誰であろうが伝えるべきことは伝えるべき。
一度決めたことを貫くために、とにかく地道に愚直に努力を積み重ねる。
→ 努力する姿勢はもちろん大切。
でも、「一度決めたことを貫かねばならない」という固定観念にとらわれる必要はない。
組織内のしきたりや伝統を大切にする。
→ 変化の激しい時代では、いつまでも昔の常識に固執することなく、時代の流れに沿って行動を変えていくことも大切。
縦社会の中にいるため、上下関係を重んじる。先輩の言うことは”絶対”。
→ 価値観が多様化している現在、「組織のあり方」も変わってきている。上下関係はそこまで重視されず、フラットな関係性を求める組織が多くなってきている。
先輩の言うことが間違ってることだって当然ある。
おわりに。
今回は、これからの社会において「体育会の人が持つ特性」は必ずしも有利であるとは言い切れないということについて綴りました。
部活のみ頑張ってきた人にとってはすこし辛辣であるかのように思うかもしれませんが、これが現実。
ただ、体育会で頑張っている人の経験を否定しているわけでは決してありません。
わたし自身も、体育会ボート部で部活(何なら就活はじめる前までは、ほぼ部活しかしてなかったです)をしていましたが、その経験を就活で優位にPRして、自分の行きたい企業に内定をいただくことができた身ですから。
対策さえすれば、「体育会の部活を頑張っていたこと」は、ものすごく大きな武器になりえます。
1番ダメなのは、「体育会だから就活なんて余裕だろ」という心持で、考えていて何も行動しないことです。
「体育会の部活で頑張ってきたという経験を、就活で活かしたい」と思っている人に向けて、
「体育会学生が、部活の経験を就活で活かすためにするべきこと」について別記事を書いているので、参考にしてみてくださいね。
他にも、わたしが就活を終えて感じたことや学んだことをたくさん綴っています。ぜひ読んでみて、参考にできそうな部分だけでも吸収してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ともちん
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他の人がサークルで遊んでいるときにも、俺は/わたしは、必死で部活を頑張ってたんだぞ…!
就活でも有利になるはずでしょ…!